AOI通信 2016年8月号
今月のテーマは「夏バテ」
夏を迎え、暑さが増してくるととたんに体力が衰えてくることがあります。それが、いわゆる夏バテ。“駅やデパートの階段などですぐ息切れするな”と感じたら、鎖骨外端下のくぼみから指一本分下がったところに位置する「中府」のツボを押してみてください。指先で体の芯に通るほど強く、3~5回繰り返します。さらに首と胸の境目のくぼみに位置する「天突」というツボも、同様に効果的です。疲れやすい体質を東洋医学では“腎虚”と呼ぶので、腎臓の機能を高めるのも体力回復につながります。腰の第二腰椎棘突起下より左右外側へ指二本分に位置する「腎兪」、第一腰椎棘突起下より左右外側へ指二本分に位置する「三焦兪」といった箇所が、顕著な効き目があるツボとして知られています。ムシムシ暑い日本の夏ですが、健康管理に役立つこれらのツボを利用して、元気に乗り切りましょう。
引用 セイリン(株)「鍼のはなし 家庭で簡単ツボ療法」より引用・抜粋
健康豆知識 ~森林浴でリフレッシュ&リラックス~
今年から、8月11日が「山の日」として国民の祝日になりました。この機会に心と体を癒す力を持つ、森林浴を楽しみませんか。森に入ると独特の香りが漂いますが、この香りの正体は「フィトンチッド」という森林から発散されている成分です。フィトンチッドは、人の身体に働きかけてリフレッシュさせる効果があり、精神が落ち着く、最高血圧を下げる、ストレスホルモンの分泌量を減らす、免疫力を高めるなどの働きがあります。
森林浴を楽しむときは五感を研ぎ澄まして、緑の香り、風のそよぐ音、風景などをじっくり味わい、心地よいと感じることをしながら、ゆっくりと過ごすとよいでしょう。整備された安全な森林を選ぶことも、安心して楽しむポイントです。
【健康ミニメモ】
ビタミンB1:糖質の吸収を助けてエネルギーに変換してくれるビタミンB1。不足すると糖質がうまくエネルギーにならないため、「食欲がない」「疲れやすい」「だるい」といった、夏バテのような症状を招きます。山歩きする前に、糖質と一緒にとっておきましょう。ビタミンB1は穀類の胚芽、豚肉、レバー、豆類に豊富に含まれています。
ことわざ健康法 ~ 善は急げ ~
よいと思ったことは、ためらわず直ちに実行するべきだという教え。森林浴は月に1回、日帰りで楽しむだけでも効果があることが分かっています。同じ所に複数回出かけることで季節の移ろいを楽しむのもよいでしょう。
公園や並木道、ガーデニングの緑を楽しむこともまた、心地よい気分になります。散歩に出かけたり、帰り道を緑の多いルートに変えたりするだけでも効果があるので、早速始めてみましょう。
参考:「家庭の健康豆知識」 監修:保健学博士 菅原明子
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