“肥満”とは、単に身長に比べて体重が多いこと(体重過多)と思いがちですが、正しくは体を構成する
成分のうち、脂肪組織が占める割合(体脂肪率)がある一定値を超えた状態を指します。
ですから、体重過多と肥満は別物で本来は区別されるもの。
人体を構成している成分で最も多いものが体重の約50~60%を占める水分で、次に多いのが脂肪です。
その体脂肪量の正常範囲は一般に成人男子で15~20%、成人女子で20~25%と言われています。
この体脂肪率が男子で25%、女子で30%を超えた場合、肥満と判断される訳です。
“肥満”とは体重過多となる場合が多いのですが、中には外見も体重も正常なのに体脂肪だけが高い
“隠れ肥満”の人もいます。“隠れ肥満”を確かめるために、体脂肪率測定用の器具が販売されているので、
気になる人は購入してチェックしてみるのもいいでしょう。
ところで、悪者扱いされがちな脂肪ですが、①余分なエネルギーを貯蔵して必要時に燃焼させる。
②体温を正常に保つ働きをする。③内臓を正常な位置に保ち、衝撃に対するクッションの役目をする。
など、人間が生きていくために欠かせない重要な役割を担っています。
体脂肪が少なければ少ないほど健康体というわけではありません。正しい食生活と適度な運動で筋力を
つけながら、体脂肪をコントロールしていくことが健康体への近道です。
引用 セイリン(株)「鍼のはなし 健康雑学塾」より引用・抜粋